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Mon 11/10/2008

 『Prop 8』可決の余波 

オバマ/民主党の大勝から一週間近く経ち、未だ酔い醒めやらぬアメリカですが、同時にカリフォルニアで同性婚を禁止する憲法改正案(Proposition 8)が可決して、モメてます。
ぼくはメインの大統領選のほうばっか追ってたのであまり詳しくないのだが、選挙前の世論調査では一時は法案反対派(つまり同性婚容認、No)が勝っていて、直前には賛成派(同性婚否定、Yes)が盛り返しを見せ、どっちに転ぶか微妙だったみたいだが、結局可決したわけだ。
で、同性愛者やそのサポーターの人達は憤慨して(当然だ)、抗議運動などに出ているんだが、
主にその怒りの矛先が向いてるのが、モルモン教とカソリックの教会。
モルモン&カソリック教会はProp 8可決のために数千万ドルの寄付をしていて、信者にも寄付を促すなど組織的な後押しをしていたのは事実で、これはもう紛れも無く有罪。
つーか、『政教分離』の意味知ってるのかこいつらは。
ユタ州(モルモン教の巣窟)ボイコット運動も始まってる模様。

そして、罪を問われているもう一つのグループが、黒人一般・・・。
CNNの出口調査によると、全体でのYes(同性婚反対)の割合が52%だったのだが、人種別に見ると白人とアジア系はそれぞれ49%、ヒスパニック(中南米系)が53%だったのに対し、黒人は70%だったらしいんだ。
今回の選挙はオバマ効果で通常は低い黒人の投票率が大幅に上がったため、全体の1割を占める黒人票の7割がYesに流れたことが、Prop 8可決に繋がったんじゃないか、という理屈。

でもさ、黒人のオバマ支持に人種が大きく関与しているのは想像に難くないけど、同性婚否定の要因は人種よりもむしろ教養・収入レベル(あと宗教)との関連性が強いから、黒人の大多数が同性婚に反対するのは、直接人種の問題ではないわけですよ。
そもそも黒人票がせいぜい全体の1割という限られた中の話で、しかもそのうち3割はNOに投票しているという事実は言うまでもなく。生の数字で見ると、黒人以外の人種で『Yes』に投票した数のほうが、圧倒的に多いんだから。「割合」っていうのは、誤解を生みやすいし、悪用されやすいよね・・・。
でも、このデータを見て「黒人(半分だけど)であるオバマを支持しているのに、黒人に裏切られた」という短絡的な解釈をする同性愛者&同性婚支持者がいるらしく、それらの人間による黒人差別発言が急増するという、ヒジョーに醜い事態に陥っている模様。こりゃいかん。
コンテキストなしに人種別のデータだけをニュースにしてしまったメディアも、無責任極まりないなあ・・・。

まあ確かに、「差別される立場」であるアメリカの有色人種で性的マイノリティーを差別する人間というのは、同意見の白人よりも偽善的なのは明らかで、二重の非難に値するとは思う。が、それは白人同性愛者の黒人差別も同じこと。デモに参加している黒人同性愛者を罵倒する白人同性愛者は、カス。
あまりのことに興奮気味なのは仕方ないが、後々に残る深い傷をつくる前に、暴言を吐いてる阿呆どももは早く我に返ってほしいものです(もう遅かったりして・・・)。
この件は、人種であろうが性的指向であろうが、被差別者だからと言ってモラル的に優れているわけではない、という良い戒めだと思う。

じゃあ結局の敗因は何だったのかというのは、色々議論されてるけど、黒人票に関しては、Prop 8反対派が人種マイノリティーのインパクトを軽視せずにもっと効果的に積極的に説得しにいくべきだった、という意見は結構出てる。が、個人的にはあんまり変わらなかったんじゃないかという気はする。
それよりは、やはり前述の通り宗教団体からの多額の寄付を受けたProp 8賛成派が資金面で反対派を圧倒してて、TV広告も多く流していたらしいので(恐怖や不安を煽るような内容のものは勿論、オバマがあたかもProp 8を支持しているように見せかけたCMも)、反対派はかなり不利な立場に立たされていたんじゃないかなあ、と思う。
あんまり詳しく追ってないから、見当違いかも知れないけどさ。


今回の選挙では、同時にフロリダとアリゾナでも同性婚を禁止する州憲法改正案が可決してるんだけど、同性婚が一度認められてから禁止になったのはカリフォルニアが初で、既婚の同性カップルはどうなるのかという問題も不明瞭らしい。州司法長官は「影響しない(つまり婚姻は無効にならない)」と発言しているが・・・・。
そもそも住民投票(多数決)で少数派の人権を制限しようというのが憲法の精神に反してるような気がするんだけど、これはシステムの盲点なのかな・・・。

州憲法を改正してしまうこの法案を覆す手段は、以下の3つらしい:
① 『Prop 8』そのものが無効であると主張
  → 既に民事訴訟が起こされているらしいが、どうやら望みは薄いらしい。
② 『Prop 8』を覆す法案を次回の選挙で住民投票
  → 詳しくないのだが、一定数の署名を集めればいいみたい。
③ 連邦最高裁に違憲性を訴える
  → これは遅かれ早かれ起こることだが、現在の連邦最高裁判事は4人が極右、1人が保守、
    4人がリベラルなので勝ち目が無いと思われ、いま持ってくのは危険かと。
なので、今のところ一番現実的なのは②ということか。


ああ、今回の大統領選は前代未聞の盛り上がりで、もんの凄~くオモシロくてさ~、オバマと民主党の圧勝の結果も喜ばしいのだが(投票権無いんだけど、笑)、このProp 8を始め、アンチ同性愛者的な住民投票が4つ(上記3つの同性婚禁止プラス、アーカンソーの未婚者による養子受け入れ禁止,)も通って、手放しで喜びに浸れず後味が悪い。

ただ、暗いニュースの中にも、ちょっと希望は見えるんですよ。
後に州最高裁で覆されたカリフォルニアの同性婚禁止条令(憲法改正ではない)は、2000年に賛成61%対39%で可決してるんだけど、今回は52%対48%と、マージンがかなり縮まってるわけです。
さらに、年代別に見ると、若い世代は圧倒的に同性婚に対して寛容で、他の州でも同様のトレンドが見られる模様。

二進一退の状況ながらも、アメリカ全体で同性婚が合法化されるのも時間の問題、ってことかも。
オバマが大統領に当選そのものが、アメリカの大きな進歩なわけで(それだけにProp 8可決が皮肉でもあるのだが)。
是非、希望を見出したいものですな。Yes we can(笑)。
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