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Sat 06/28/2008

 未成年のGID患者の治療に関する特集 on NPR 

今月7日のエントリーでちらっと触れた話。
放送はもう2ヶ月近く前で、今更すみませんが、一応。

NPR「All Things Considered」で、5月7日・8日に、2回に分けて放送された特集でした。

第一部:
Two Families Grapple with Sons' Gender Preferences
Psychologists Take Radically Different Approaches in Therapy

息子の性別選択に取り組む二組の家族と、徹底的に違ったアプローチでセラピーを行うそれぞれの子供のセラピストに話を訊く。

第二部:
Parents Consider Treatment to Delay Son's Puberty
New Therapy Would Buy Time to Resolve Gender Crisis

息子の第二次性徴を遅らせる治療を検討する両親/ジェンダー問題を解決する時間稼ぎとなる新しい治療について。


ともに文字起こしされた記事と、音声ファイルへのリンクが掲載されてます。

第一部は運転中にたまたま放送されてたのを聴いて、第二部はPodcastでDLして訊いた。
第二部は、大体以前に触れた話と同じような感じ。

第一部は、二組の家族の話で、うち一組の家族がカウンセリングを受けている心理学者は、ケネス・ズッカー(Kenneth J. Zucker)。

Dr. ズッカーは「GID治療の権威」で、10歳以下のGIDの子供に対しては
体の性別に対する違和感を失くす、つまりは頭の性別を体の性別に矯正するような「治療」を行う人物。

こんなズッカー氏は、当然ながらex-gay movement
(同性愛は「治る」という主張のキリスト教原理主義に基づいた思想・運動)
からも祭り上げられているような、トランスジェンダー界(?)では既に悪名高い心理学者。
生涯続くホルモン治療や手術の必要性、社会からの差別などを考えると
ムリヤリにでも「治す」ほうが人道的、という考えなのか。

で、この話のMTFと思われる子(ブラッドリー)は、ズッカー以前は両親に好きな玩具を買ってもらい、
割と自由に「女の子」でいられたんだけど、ズッカーの指示のもと
両親はブラッドリーの「女児向け玩具」を少しずつ捨てていって・・・
(以下、恒例のテキトー訳。意訳あり)

玩具の山が小さくなっていくうちに、キャロル(母親)はブラッドリーが玩具を隠していることに気が付いた。女のアクション・フィギュアーが幾つかソファーのクッションの間から出てくることもあった。虹色のユニコーンはブラッドリーのクローゼットの後ろに隠してあった。ブラッドリーは困惑しているようだった、とキャロルは語る。両親は彼に男児用の玩具を買い与えたが、それでは決して遊ばなかった。

「ブラッドリーはその代わりにお絵かきや塗り絵をするようになって、玩具では全く遊ばなくなりました。そして、お絵かきや塗り絵を何時間も何時間もするんです。一日中、それだけをしていました。」と、キャロル。「彼は本当に困惑していたんだと思います・・・。自分が知っている遊び方の全てが、何ていうか、自分の家から取り除かれてしまったわけですから」

しかし、彼の書く絵にも問題があった。ブラッドリーの絵は、もう自分の手が届かない玩具や興味の対象 - 流れるような髪のお姫様や、凝ったドレスを着た妖精たち、ピンクや、紫、薄い黄色の虹 - で埋め尽くされていた。そのため、キャロルと夫はズッカーの指示の元、それをも変えさせるようにした。

「私達は彼に『ママとパパのために男の子を描いてくれる?その絵に男の子を描ける?』と訊いてみました・・・。そうしたら、彼はもう私達に自分の絵を見せたり、描いているところを観られるのを嫌がるようになったんです。私達に必ず『男の子を描いて?』と言われるから」とキャロルは言う。「そして、多分1~2ヵ月経ってからようやく、『ママ、どうやって、どうやって男の子を描けばいいのか分からない』って言われました」

キャロルは息子を座らせて描き方を教えた、と言う。それからというもの、ブラッドリーは教えられた通りに絵を描くようになった。彼のスケッチブックは貧弱な髪の男の子の絵で埋められていった。

(中略)

キャロルの息子ブラッドリーは、少なくとも短期的には、ズッカーのセラピーで苦心しているようである。キャロルは、開始当初は特に大変だったと言う。

「彼は今よりもずっと感情的でした・・・。すごくベタベタすることもあって、学校に行くことも嫌がるようになりました」とキャロル。「ほんのちょっとしたことをキッカケに、大泣きをすることもありました。それに・・・とっても哀しそうで、すごく感情的でした」

ブラッドリーがセラピーを始めてから8ヶ月が経つが、他の家族を訪ねる際などの稀な機会に、女児用の玩具に触れることが避けられないような状況に遭遇すると、上手くいかないとキャロルは言う。

「彼にとってはとても大変なんです。知らないうちにいなくなったと思ったら、1人でドアを閉めて人形で - 彼が惹きつけられるようなもので - 遊んでるところを見つけるんです」

特に、彼女の息子がどうしても拒否できない女の子っぽいもの - 今は使うことを禁止されている - が1つある。

「彼はピンク色にどうしても惹かれるんです。ピンク色にもの凄く苦労させられるんです。ピンク色を見ることもできません」とキャロルは言う。「まるで中毒患者みたいなんです。『ママ、そこに連れて行かないで!ぼくの(私の)目を閉じて!目をふさいで!見られないよ・・・全部ピンクなんだもん』っていう感じで」

それでもキャロルはブラッドリーが多少の進歩を見せたと言う。現在、彼は男の子と遊ぶことができる。2~3人の男友達もでき、今は男の子向けのことが楽しいと言う。そして、ほかにも幾つか変化の兆候がある。

「彼はもう自分が女の子である夢は見なくなったと言うので、私たちは喜んでいます。ただ、まだ今でも『女の子になりたいの?』と訊くとちょっとムキになって、『ノー。ノー!男の子で満足してるよ・・・』という感じの、決まりきったような答えを返します。彼はまだ二重生活を送っているという感覚でいる段階に、私たちはいるんじゃないかと思います」と彼女は言う。「・・・私は、彼は学校ではまだ女の子たちとばかり遊んでいることを確信しているので、彼は学校ではどういう行動をすれば良いのか、そして家に帰ったら今度は別の行動を取るように期待されている、ということを知っているんです。」


これラジオで聞いたとき、涙でてきそうだった・・・。

ズッカーは約30年間に渡ってGIDの「治療」に取り組んできたらしいが
上でもリンクしたTS Roadmapのページ上のThe New York Timesからの引用文によると、
彼が「治療」した思春期前の500人の児童のうち、15~20%は結局成人してからトランジションしてしまうらしい。

本人は「80~85%の成功率」を主張したいのかも知れないけど、コントロールは?
幼少時の性同一性がそんなに流動的だってんなら、そんなにムリヤリ男子/女子の役割を押し付けなくても
「治る」べき子は自然に「治る」んじゃないの?
流動的なのと「外的刺激によって好きなように形成できる」は違うぞ。
John/Joanの二の舞ではないのか?
なんて、ここで文句垂れても何の足しにもならんが、酷え話だ。
両親は藁をも縋る思いだったんだろうが、残念ながら縋った藁が腐ってることもあるんだよなあ。

イデオロギーを持って突っ走る人間のやることは、つくづく恐ろしい・・・。

P.S. このZucker氏、よりにもよってAPA(アメリカ精神医学会)DSM-V(2012年発行予定)の
「性同一性及び性的障害」項目のワークグループの議長に任命されたらしい  orz
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